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# Cometarium ユーザーマニュアル(無料版 1.1)

Cometarium は、彗星がいつ・どこに見え、どんな尾を引くのかを描く天文アプリです
(iPhone / iPad / Mac)。背景の星は実際の星表、彗星の位置は NASA/JPL の軌道解を
出発点にした N 体積分の結果、尾は太陽光の輻射圧と太陽風のモデルから計算しています。

- 無料版に収録されているのは **10P/Tempel 2**・**220P/McNaught**・**169P/NEAT**・
  **3200 ファエトン**(ふたご座流星群の母天体)の4天体
- 観測地は都道府県のほか、**MPC の観測所コード**から国内 142 台・海外 2546 台の天文台を選べます
- 通信するのは光度の**「再計算」**を押したときだけ(COBS から最新観測を読む)。
  データ収集・広告はありません
- 対応: iOS / iPadOS 17 以降、macOS 14 以降

![起動画面](img/fig_opening.jpg)

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## 1. 共通の操作

![画面の見かた](img/fig_annotated.jpg)

| | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| ① | アプリ名と対象天体 | いま表示している天体。10P/Tempel 2・220P/McNaught・169P/NEAT・3200 ファエトンから選べます。右端の **EN** で日英切替、**赤い丸**でナイトモード |
| ② | 日時と時刻系 | 日付・時刻(直接入力可)と、それを読む時計(例: JST+9)。**📍** で現在地を取得、**現在**で今日へ戻る |
| ③ | 観測地 | 都道府県または天文台(MPC 観測所コード)から選ぶか、緯度・経度を直接入力 |
| ④ | 日付スライダ | 収録期間を端から端まで |
| ⑤ | 表示切替 | 天球 / 地平 / 観測 / 太陽系 / 光度 / 尾 / 詳細 の7画面 |
| ⑥ | 表示レイヤー | リセット・縮小 − ・拡大 ＋ と、各レイヤー(点灯＝表示中)。画面ごとに中身が変わります |
| ⑦ | 天球経路 | 収録期間の彗星の通り道 |
| ⑧ | 日付目盛 | 経路上の日付。拡大するほど細かくなります |
| ⑨ | 現在位置と彗星名 | ④で指定した日時の彗星。ダスト尾とプラズマ尾つき |

図では「近日点」と「バースト」のレイヤーを消してあります。点けると、彗星が太陽に
最も近づく点とその日付、突発的な増光が観測された位置・日付・増光量が経路の上に出ます。

地平と観測の画面では、④の下に時刻の微調整(−1h 〜 +1h)と **南中**(その日に彗星が
子午線を通る時刻へ跳ぶ)の行が出ます。

図はドラッグで移動、ピンチで拡大縮小、「リセット」で元に戻ります。Mac では地平の
視野を矢印キーでも動かせます。

## 2. 天球

赤道座標(J2000.0)の経路。赤経は右へ行くほど小さくなります(西が右)。日付の目盛は
画面上の移動速度で決まるため、拡大すると自動的に細かくなります。星の色は B−V 色指数、
大きさは実視等級。現在位置には「尾」パネルの設定を反映した尾が付きます。

## 3. 地平

![地平](img/fig_horizon.jpg)

観測地の空を彗星中心の心射図法で描きます。空の色は太陽高度で変わり、地平線・地面・
方位・高度目盛が入ります。方位は右へ行くほど増えます。目盛は視野に追従し(視野60°で
高度10°ごと、視野10°で1°ごと)、地平線下 20° までの星・太陽・月も薄く描きます。
彗星が沈んでいるときは視点が地平線で止まり「地平線の下」と表示します。彗星名は
ドラッグで移動できます。

## 4. 観測

![観測](img/fig_night.jpg)

一晩の彗星・太陽・月の高度。下に日の出/入り、月の出/入り、彗星の出・南中・没、
最高高度、月齢と照度、月との離角、闇夜での最高高度、空の明るさが出ます。

## 5. 太陽系

![太陽系](img/fig_orbits.jpg)

ドラッグで視点が回ります。太陽中心・地球中心・彗星中心、軌道面、春分点、近日点、
バーストの切替、「他の彗星」の重ね描き(無料版は 220P のみ)。

## 6. 光度

![光度](img/fig_light.jpg)

COBS の眼視・CCD 観測と、当てはめた光度式(±3σ)。現在の m₁、式
`m₁ = H₀ + 5 log Δ + 2.5 n log r`、近日点前後の H₀ と n、観測数、COBS 取得日時。
縦軸の刻みは等級の幅に応じて自動で細かくなります。

**「再計算」**を押すと、その場で COBS から最新の観測を読み込み、H₀ と n を当てはめ直します
(数秒)。図の下に「この端末で再計算」と出ているあいだは同梱の式ではなくこちらを見ており、
「元に戻す」で戻ります。当てはめは Huber 損失によるロバスト推定で、観測者ごとの系統差を
ゼロ点として吸収し、近日点の前後を別々に推定します。

**3200 ファエトンだけは式が違います。** 小惑星として登録されている天体には彗星の
M1/K1 が無いため、小惑星の標準式(IAU の H・G 法)
`V = H + 5 log rΔ − 2.5 log Φ(α)` で計算します。位相角 α の項があるのが彗星の式との
違いで、近日点の前後で見かけの明るさが急に変わります。不活発な天体の明るさなので、
近日点近傍のダスト放出による増光は含みません。COBS に観測が無いため「再計算」も出ません。

## 7. 尾

![尾](img/fig_tail.jpg)

核を中心にした位置角図(北が上、東が左)。β の粗さ、放出時刻(3〜90日前)、太陽風速度
V_sw、尾長を選ぶとその場で計算し直し、天球と地平の尾にも反映されます。

## 8. 詳細

![詳細](img/fig_now.jpg)

日時・位置・距離(au と km)・離角・位相角・予測等級・軌道6要素・光度式・COBS の
取得日時など30項目。距離と位置は光行時間を補正済みです。

小惑星として登録されている天体(3200 ファエトン)では、**光度モデルの欄に
「小惑星の標準式 (IAU H・G 法)」**と出て、式・H・G・その時刻の位相関数 Φ(α) が並びます。
彗星の式は使っていないこと(近日点近傍の増光を含まないこと)も併記されます。

## 9. iPhone での表示

![iPhone](img/fig_iphone.jpg)

## 10. 収録内容

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象天体 | 10P/Tempel 2、220P/McNaught、169P/NEAT、3200 ファエトン |
| 画面 | 天球・地平・観測・太陽系・光度・尾・詳細 |
| 太陽系の比較軌道 | 収録した4天体を互いに |
| 観測地 | 都道府県 + MPC 観測所コード(国内 142 台 / 海外 2546 台) |
| 計算 | すべて端末内。通信は光度の「再計算」のときだけ |

## 11. 計算とデータの出どころ

| 内容 | 出どころ |
|---|---|
| 軌道と天体暦 | NASA/JPL Horizons・SBDB・NAIF SPICE(DE440 / sb441) |
| 軌道の積分 | ASSIST(REBOUND 系)。惑星と主要小惑星の摂動、非重力加速度を含む |
| 光度と増光 | COBS の観測に基づく光度式の当てはめ |
| 星表・星座 | Bright Star Catalogue(V ≤ 6.5)、d3-celestial の星座線 |
| 太陽・月・惑星 | Meeus『Astronomical Algorithms』と Standish の近似要素 |
| 尾の形状 | Finson–Probstein、Burns–Lamy–Soter の β、太陽風による吹き流し |
| 空の明るさ | Krisciunas & Schaefer 1991 (PASP 103, 1033) |

Credit: NASA/JPL-Caltech.
Comet magnitude data courtesy of COBS Comet Observation Database — <https://cobs.si>

## 12. よくある質問

**Q. オフラインでも使えますか。** はい。光度の「再計算」を押さないかぎり通信しません。

**Q. 位置情報は何に使いますか。** 観測地の緯度経度を入れるためだけで、端末の外には出しません。

**Q. ナイトモードとは。** 画面全体を赤くして、暗順応を保ったまま読める表示です。

**Q. どのくらい正確ですか。** 位置は JPL の軌道解を出発点にした N 体積分で実測とほぼ
一致します。**明るさ**は本質的に予測が難しく、実際の観測とずれることがあります。

**Q. どの天体を扱えますか。** 10P/Tempel 2・220P/McNaught・169P/NEAT・3200 ファエトンの
4天体です。太陽系の画面では互いの軌道を並べて比べられます。

**Q. ファエトンは彗星ではないのでは。** そのとおりで、小惑星として登録されています
(ふたご座流星群の母天体)。そのため光度だけは小惑星の標準式で計算しています(第6節)。

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